硝子細工って飴みたいで美味しそうです!


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<   2009年 07月 ( 8 )   > この月の画像一覧

たまには他人の動画のレビューでも

【ニコニコ動画】手記
【ニコニコ動画】皮肉

 なんか見てたら腹たってきたんで、たまには他人の動画のレビューでも。

 まず、上の手記ですが、俺は嫌いです。
 全ての物語はエンターテイメントであるべきだと思っています。同時に、フィクションである、という強みを最大限に生かすべきだと思っています。たとえそれが、メタ構造の物語であっても。

 一つ断っておきますが、俺はメタは嫌いじゃないです。
 マイトガインの最終回に非常にいらいらしたりもしましたが、嫌いじゃないです。本当だよ。
 日本三大(四大)奇書はどれも好きですし、大説家も、そっから連なる流れも好きです。
 ただ、メタをやろうとは思いません。たまにやってる気もしますが、気のせいでしょう。
 現実へと出てくるようなメタ、それも、ギャグではなく、シリアスをやろうと思ったら、思想が必要です。面倒くせえ。


 まあ、俺のことはどうでもいいんですが。

 上記の動画を、なんで俺が嫌いかつーと、毒が足りないです。
 もっとキチガイめいてほしいです。
 手記なら、フィクションでやる以上、最後に綺麗に落とさず、首吊りのわっかの写真でものっけといたらよかったと思います。エンターテイメントとして、視聴者を絶望に叩き落してほしかったです。
 皮肉なら、最後にアイマス本編との関係性を持たせたりして、もう全てに喧嘩売ってほしかったです。
 もっと、もっと毒を!

 まあ、そんなの望むのは俺みたいなアホだけでしょうが。

 ただ、あの動画に納得できる部分がないでもないです。
 自分の動画が伸びてほしいというそれですね。
 正直、デビューして十ヶ月になろうとしているので、もういい加減数字なんてどうでもよくなってはきているんですが、まあ、最初の2、3ヶ月は、やっぱ伸びてほしかったです。伸びないことにむかつきを覚えたりもしてました。
 とはいえ、まあ、いわゆる底辺のまま、こんだけやってたら、どうでもよくなるもんで。

 たとえば、伸びる方法をずっと悩んでるPがいます。
 伸びたいがために、色々方法を試してみるPがいます。
 それは、決して間違ってはいないと思います。
 俺は自分のやりたいのやりますが。

 エロなら伸びる、エロじゃなかったら伸びない。
 んなこたないです。別にエロくて伸びてない動画もあります。
 ただ、一つだけ言えるのは、ネタが狭ければ伸びます。
 というか、今まで誰もやってないことをやれば伸びます。
 まあ、どこまで伸びれば伸びたことになるのか、俺にはさっぱりなんですが、そんなもんでしょう。

 まあ、俺の上の動画二点の感想は、エンタメとやりたいこととの間で、なんか中途半端だよねー。
 ってことで。

 感想なのか自分語りなのかさっぱりだよ!

 散文大好き。
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by tahiri | 2009-07-28 18:55

中ツ国ビッグバン

【ニコニコ動画】【iM@S×三国志×日ノ本ビッグバン】中ツ国ビッグバン【ネタ☆MAD3rd】

 出来ちゃった……。
 せ、責任とってくれますか……?///
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by tahiri | 2009-07-17 07:28

さめ

JAM99Pより、「さめ」というお題をいただいたので、SSを書いてみます。




「さ、さめ!」
「same。同じって意味」
「あぅぅ……」
 頭を抱えているやよいを見やる。
「やよい……このままじゃ、テスト、やばいわよ?」
「たぅぅ……でも、家のこともあるし、アイドルのお仕事も……」
「学生の本分は、勉強よ。やよい」そう言って、テーブルの上にあった紅茶を口に運ぶ。「いくら義務教育だからって、舐めてちゃだめよ?」
「う、うん。がんばるよ、わたし!」
「よし、じゃあ、これは?」
「さ、さめ?」
 ぱこり、と机の上においてあったテキストを丸め、やよいの頭をかるくはたく。
「あぅぅ」
「どうしてさっき言ったことを忘れるのよ……」
「だ、だって……さめだもん」
「あんた、鮫ってわかる? シャーク」
「じょーず?」
「わかってるじゃない」
「でもさ、伊織ちゃん」
「何よ」
「さめって、sameだよ?」
 まじまじと、やよいの顔を見つめた。
 本当に、何の疑問も抱いていない顔だった。
「……どういう意味よ?」
「同じって意味だよ」
 やよいの顔は、笑っていた。
 まるで鮫のように、笑っていた。
「ね、わからないかな。伊織ちゃん」
「な、何よ……」
 やよいの手が、わたしの服にかかる。
「わからないなんて、うそだよ?」
 にちゃり、とわたしの身体から音がした。
 やよいに、させられた。
 わたしは、どこかさめた目で、それを見ていた。


執筆時間:30分
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by tahiri | 2009-07-10 01:17

寝込んでいるところに、彼女がおかゆを作りに

RAPから「寝込んでいるところに、彼女がおかゆを作りに」というテーマをいただいたので、書いてみます。




 どこかで、サイレンが鳴っている気がする。

 カーテンの隙間から、西日が差し込んできて、目がさめた。
 赤い光が眩しい。
 喉が痛くて、身体がだるい。
 目の前がぼやけてて、思考が定まらない。
 風邪。脳にその文字が浮き出るように、思い出す。
 そうか、風邪か。
 なんでまた、こんなことに……。
 とはいえ、身体が動かないものは仕方がない。
 なんとなく天井の蛍光灯を見上げながら、ぼんやりと思考を巡らせる。
 そういえば、腹が減った。
 最後にいつ飯を食ったのだろう。
 思い出すこともできない。
 脳が麻痺している。
 いったい、どれほどの時間そうしていただろう。
 ふと気がつくと、インターフォンが鳴っていた。
 やけにのんびりと、ドアに目を向ける。
 出たいが、身体が動かない。
 しょうがないから、来た人には帰ってもらおう。今の状態では、もてなすことはおろか、出ることすらままならない。
 なんてことを思っていたら、がちゃり、と鍵の開く音がして、そのままドアがあいた。
 そして、そのまま元気よく、一人の女の子が飛び込んでくる。
「プロデューサーさんっ、おかゆつくりにきましたよ!」
「天海、春香……」
「もうっ、風邪なら風邪っていってくださいよ。今日小鳥さんから聞いてびっくりしましたよ。わたしとプロデューサーさんの仲じゃないですか!」
 少し、口元に笑みを浮かべる。
「ああ、そうだな……」
「それとも、わたしのこと嫌いになっちゃいました……?」
「そんなこと、ないよ……」
「よかった! じゃ、さっそくおかゆをつくりますね、て、と、うわぁぁぁ!?」台所に行こうとして、春香がこける。「あたたた、あぁ、すいません、お部屋ちらかしちゃった!」
 どこかでサイレンが鳴っている気がする。
「いいよ、大丈夫。それより、腹が減ったな」
「はい、腕によりをかけちゃいますね! その後は、ちゃんとふーふーして食べさせてあげますからっ!」
「恥ずかしいな……」
「もう、わたしとプロデューサーさんの仲じゃないですか!」
 そういって笑った春香の顔は本当に綺麗で、こっちまでなんだか恥ずかしくなってしまった。
 どこかでサイレンが鳴っている気がする。
 うるさいな、もう少し楽しませてくれよ。
 笑っていた春香の顔が、ふいに崩れる。
「――でも、本当に、次からはちゃんと言ってくださいね、心配したんですから……」
「ああ、約束するよ……」
「本当、約束ですよ、約束!」
 うるさい。サイレンが。
 サイレンの音にもう耐えられない。
 そして、俺は――

 目を、覚ました。
 冷凍睡眠の後は、いつも身体が気だるくなる。
 まるで、風邪をひいたかのように。
 狭い宇宙船の中を見渡しながら、人工夢の余韻を覚ます。
 二十一世紀の映像プログラム。
 我ながら、趣味が悪いことだ。
 だんだん目が覚めてくる。
 船中全体に響く警報音。こいつに目を覚まさせられたらしい。
 船内パラメーターを確認する。なんてこった。小惑星帯につっこんじまってる。
 もはや減速しても意味がないだろう。
 必死に噴射して、小惑星帯から抜け出そうとするが、予測コンピューターの処理速度を超えてしまっている。このぽんこつめ。
 船壁にこつん、こつん、とノックするようにデブリが当たり始めた。
 だめだ。
 もう、どうしようもない。
 目の前が歪む。
 身体が動かなくなる。
 まるで、風邪でもひいたみたいに。
 どこか、声を聞いた気がした。

「プロデューサーさんっ、おかゆつくりにきましたよ!」


執筆時間:50分
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by tahiri | 2009-07-09 02:45

発狂

土偶Pより「発狂」というテーマをいただいたので、書いてみます。



 最初は、犬だった。
 幼い頃のわたしは、犬が大好きで、よく近所の犬と戯れ、遊んでいた。
 無邪気に。
 わたしはその犬に名前をつけ、少しも離れるのがいやだった。
 その犬が、好きだった。
 好きで好きでたまらなくって、どうしようもなくなって。
 それで、何がどうなったのだろう。
 覚えているのは、その犬が、わたしに突然襲い掛かってきて、それで処分されたことだ。
 それ以来、犬が怖くてたまらなくなった。
 その夜、こわくて、さみしくて、わたしは中々寝ることができなかった。
 いや。違う。
 その夜、わたしは火照っていたのだ。はじめて自分の股間が疼くことに気づいて、それで寝ることができなかったのだ。
 それ以来、その犬には遭っていない。

 次は、小学校の友人だった。
 その男の子は、小学校で中々友達ができないわたしを、気遣ってくれた。
 喋りかけてくれて、一緒に遊んでくれた。
 その男の子のことを、好きになった。
 初恋だったのかもしれない。
 好きで好きでたまらなくなって、どうしようもなくなって。
 覚えているのは、その男の子が急に教室で何かを喚きだして、教室の窓を叩き割りはじめたことだ。
 それ以来、わたしは男が怖くてたまらなくなった。
 その夜、わたしは、また身体が火照ってしまい、はじめて自慰をした。
 幾度も果て、そのまま眠り込んでしまった。
 それ以来、その男の子には遭っていない。

 次は、いつくるのだろう。
 わたしの周りは、いつしかすべてが怖いものになった。
 でも、そのこわさはわたしに快感を与えてくれる。
 それを忘れることは、できなかった。
 どんなものも、あの快感にかなうものはなかった。
 でも、わたしは怖かった。
 それで、誰かがまたこわくなってしまうのが、こわかった。

 いつしか、わたしはアイドルになっていた。
 何も変われないまま、そんなものになっていた。
 ただ、それでも好きな人ができた。
 できてしまった。
 昔のような熱狂はなくても、少しずつ、浸透するように。
 熱狂がないまま、わたしは、その人に告白し、受け入れられた。

 うれしくて、うれしくて。

 わたしは、世界中の人間を、好きで好きでたまらなくなった。


執筆時間:40分
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by tahiri | 2009-07-08 00:23

拒絶

 黄流Pより、「拒絶」というテーマをいただいたので、やってみます。
 微妙に0時まわってるのは気のせい。





 風が吹いていた。
 どこか、水の臭いがした。雨になるかもしれない。
 真はその臭いを感じつつも、その剣先を揺らすことはなく、ただ構えていた。
 雨は好きでも、嫌いでもない。
 ただ、煙る視界をうっとおしいと思うだけだ。目の前の人間がそう思ってくれるかはわからない。ならば、雨が本格的に降り始める前に決着をつけたっかった。
「雨になるな……」
 同じように動じることなく剣を構えている目前の人物は、しかし口を開いた。動揺など、微塵も見えない。ただ、巌のごとく、そこにあった。まるで一人で剣を構えてるいるかに思える。
 しかし、目の前の人物は確かにそこにあった。
 幻ではない。いや、時折幻かと思いそうにもなるが、真の全身をじわり、と締め付けてくる剣気は本物だった。
 答えぬ真に気を悪くしたか、目の前の人物はふん、と鼻を鳴らすと、また人より自然となる。
 闇の中に一人で立たされた時を思い起こす。
 その時は、恐怖を拒絶する方法を伝授された。
 狼の群れに一人で挑まされた時を思い起こす。
 その時は、動揺を拒絶する方法を伝授された。
 遊郭に一人で置き去りにされた時を思い出す。
 その時は、女であることを。女でありたいという願いを。
 拒絶された。
 拒絶させられた。
 ただ、一振りの剣としてあるように。
 それ以外のことは、すべて拒絶させられた。そうあるように。
 その完成が、目の前にいる。
 その極形が、目の前にいる。
 生きること、それが全ての人間が。目の前に。
 ――いや、まだ人間なんて思っているのか。ボクは。
 あれは、敵だ。
 人間から、敵になるように。拒絶した。
 拒絶したはずだ。
 でも、それでもボクの中の人間が叫んでいる。
 あれは。
 あれは、父だと。
 真の剣先が微かに揺れる。
 その動揺を見てとったか、目前の人間が、敵が、父が、切りかかってきた。
 逆袈裟。
 必死に受ける。
 剣先どうしが触れ合った瞬間、弾かれるように剣は後ろに。否。弾いたのだ。
 その反動を利用するかのように、袈裟がくる。
 剣先を合わせ、今度は真が弾く。反動を利用し、袈裟。
 あわせられる。
 弾かれる。
 流派の極意は、拒絶することだ。
 精神論からはじまり、剣の極意にもそれは言える。
 剣先で、全てを拒絶するのだ。
 相手の、生命さえも。
 幾合切りあったであろうか。
 ふいに、真が跳んだ。
 流派にはない動きだった。
 彼女が、今日のために。拒絶するために編み出した動きだった。
 袈裟。
 肉を切る感触が伝わってきた。
 人影は、父は、敵は、どう、と崩れた。
「俺を拒絶し――何処にいくか」
「ボクは――ボクは、ただ、女のようになりたかった。あなたを、拒絶したかった」
 父は、それもまたよし、と笑い、逝った。
 雨が、降り始めていた。

執筆時間:45分
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by tahiri | 2009-07-07 00:26

梅雨

 おぱマPより「梅雨」というテーマをいただいたので、SS書いてみる。




 いやなことがあるときは、いつも雨だ。
 墓前に、線香一つ灯せはしない。
 日本の梅雨は、うっとおしい。強い雨ではないが、湿気が服の中まで入ってくる。わたしを犯す。肩にかけるように持っている傘に、雨の重みを感じることはない。でも、雨はわたしを浸食してくる。
 わたしの中の何かを錆びさせるかのように。
 アメリカの夏はこんなことにはならない。あっちは、何もかもが乾いている。空気も。人も。
 わたしは、それが欲しかった。何もかもを乾かしてしまいたかった。
 でも、わたしは結局乾くことはできない。
 今もまた、こうして湿っぽい空気の中にいる。
 わたしの中の乾いている部分を、湿気が侵食してくる。
 いやなことがあるときは、いつも雨だ。
 弟が死んだときも、その命日も。
 ずっと、ずっと雨だ。
 弟が死んでしまって。逃げるようにアメリカへ行った。
 ただ、歌にだけ打ち込んで。
 それでわたしは、何を得たのだろう。
 それでわたしは、何を見たのだろう。
 結局のところ、何も変わっていない。
 わたしは、ただ乾いてしまっただけだ。何も得ることなく。何を見ることなく。ただ、乾いてしまっただけだ。生きることに。歩くことに。羽ばたくことに。
 乾いてしまった。
 心のどこかが潤いをもとめているのだろうか。
 何のために?
 歌を求めて。
 その果てに、何があったのだろう。
 その果てに、何処に行けたのだろう。
 ――もう、行こう。
 わたしは、乾いてしまっている。
 ここにいることはできない。
 用意していた花を、あらかじめおいてあった二つの花の間にそっと置いて。
 わたしは、そこを後にした。


 空港へ向かう。
 雨に煙る街の中を。
 時計を見ると、飛行機が出るまで、あまり時間がなかった。
 近道のため、公園を通る。
 歌が、聞こえた。

 しーんぎんいんざれいんっ

 雨の中、傘もささずに、一人の女の子が歌って、踊っていた。
 どこか調子っぱずれで、歌もあまり上手くなくて。
 でも、雨に煙るなかにひらひらと踊るリボンが。
 何か印象的で。

 あいむしーんぎんいんざれいんっ!

 わたしは、ぼんやりと、飛行機のことも、乾いてしまった自分のことも忘れて。
 ただ、それを見ていた。

 そして、女の子は、わたしに気づいて、にっこりと笑った。


 それから、何年の時がすぎただろう。
 わたしは、今日本のアイドルになっている。

 ふと、わたしの隣で寝ていた春香が目を覚まし、わたしの顔を覗き込んだ。
 その唇に軽く口付けをし、笑いかける。

「千早ちゃん、どうしたの?」
「ん? 春香と最初に遭った時のこと思い出してたのよ」
「えぇ? わ、わたしどんなのだっけな……えっと……」
「ふふ、よく風邪ひかなかったわね」
「ええ!? な、何してたの、わたし!?」
「さあね――ふふ」

 わたしはもう、乾いてない。

執筆時間:60分
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by tahiri | 2009-07-05 15:55

 ねこようじPのまねをして、俺もSSを書いてみた。
 テーマはねこようじPより頂いた「角」




 あかおには、きらわれものでした。
 かおがこわいし、からだはおおきいので、だれもがあかおにをきらいました。
 でも、あかおには、にんげんと、なかよくしたかったのです。
 なので、あかおにはある日、にんげんを自分の家にさそいました。
 ごちそうをよういして、いっぱいいっぱいどりょくしました。
 でも、だれもきませんでした。
 あかおには、なきむしでした。
 なので、わんわんないてしまいました。
 だれもこないのがかなしくて、自分のこわいかおがなさけなくて。
 わんわんとないてしまいました。
 そんなあかおにをみかねたのか、ある日あおおにが、あかおにのために何かしようと思いました。
 それは――。

 部屋の角に座り、エッヂを眺める。
 ここから見た部屋は、以外と大きい。
 この世界には、角がいくつもある。
 身体を無理やり角に合わせた。痛かった。何故わたしの身体は四角くないんだろう。
 なんで生きているんだろう。
 テーブルの角を眺める。そこから、線へ。隅を伝っていくと、四角い箱があった。
 テレビ。
 そこに、もう一人のわたしが写っている。
 My Best Friend。
 デビュー曲。
 自分の歌とは思えなかった。
 その中のわたしは、生きていた。
 気づいている。テレビの中のわたしの口の動きと、歌に微妙な差異があることに。
 わたしなのに、わたしじゃない。
 笑いながら、踊りながら。
 わたしの歌じゃないものを、わたしは歌っていた。
 四角の中に、わたしがいた。でも、わたしは四角くなかった。
 喉に手をやる。傷跡があった。憎かった。何もかも。でも、だめだめなわたしは、ただ、部屋の角にうずくまっていた。穴を掘ることもできない。
 声を出してみた。
 まるで、鬼のような声がした。

 あかおにをかわいそうに思ったあおおには、にんげんの村であばれました。
 それをあかおにが止めれば、あかおにはにんげんとなかよくできるとかんがえたのです。
 あかおには、そんなことはいやでしたが、あおおにがたのむので、あおおにの計画にのりました。
 計画はうまくいきました。
 あかおにはにんげんとなかよくなって、あおおににとてもとてもかんしゃをしました。
 なので、あおおにといっしょにあそぼうと、あおおにの家にいきました。
 そこに、あおおにはいませんでした。

 事故だった。
 事故だって説明された。
 些細な喧嘩。伊織ちゃんは、とにかくわたしが気に食わなくて。わたしは、もうどうしていいかわからなくなっちゃってて。
 伊織ちゃんは、そこらのものをかたっぱしから、投げ始めた。
 その中に、カッターナイフがあったのは、ただの偶然だろう。
 それが、わたしの喉にあたったのも。
 目覚めたわたしが見たのは、病院のカーテンと、わたしを取り囲む黒い服を着た人たち。そして、その向こうでおびえたようにわたしを見ている伊織ちゃんだった。
 事故だった。
 事故だって説明された。
 わたしは、それを受け入れた。
 まだ、デビューシングルも出していなことが幸いした。
 わたしは、踊った。笑顔だった。でも、声をあてたのは、別の人だった。
 再びテレビを見る。
 四角の中にいるわたしの上に、文字が躍っていた。衝撃の事実、萩原雪歩にアテレコ疑惑。
 もう、それを見たくなくて。
 目をそむけて、角を見る。
 それが何か誘っている気がして。
 ふらり、と立ち上がってテーブルにいった。
 角に思いっきり股間を押し付けてみた。
 気持ちよかった。
 死にたくなった。
 自分の喉から、鬼のような喘ぎ声が出た。
 わかっているんだ。
 伊織ちゃんは、謝りたかったんだって。許されることなくても、ただ謝りたかったんだって。
 でも、それを周りの大人が許してくれなかったのもわかっている。
 わかっている。
 わかっている。
 目の端に、包丁のエッヂが写った。
 わかっている。
 床に落ちた自分の影は、まるで鬼の角が生えたかのようだった。

「赤鬼くん、人間たちと仲良くして、楽しく暮らしてください。もし、ぼくが、このまま君と付き合っていると、君も悪い鬼だと思われるかもしれません。それで、ぼくは、旅に出るけれども、いつまでも君を忘れません。さようなら、体を大事にしてください。どこまでも君の友達、青鬼」

 あかおにはそれをよんで、しくしくと泣きました。


執筆時間:40分
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by tahiri | 2009-07-04 23:35