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硝子細工って飴みたいで美味しそうです!


by tahiri

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発狂

土偶Pより「発狂」というテーマをいただいたので、書いてみます。



 最初は、犬だった。
 幼い頃のわたしは、犬が大好きで、よく近所の犬と戯れ、遊んでいた。
 無邪気に。
 わたしはその犬に名前をつけ、少しも離れるのがいやだった。
 その犬が、好きだった。
 好きで好きでたまらなくって、どうしようもなくなって。
 それで、何がどうなったのだろう。
 覚えているのは、その犬が、わたしに突然襲い掛かってきて、それで処分されたことだ。
 それ以来、犬が怖くてたまらなくなった。
 その夜、こわくて、さみしくて、わたしは中々寝ることができなかった。
 いや。違う。
 その夜、わたしは火照っていたのだ。はじめて自分の股間が疼くことに気づいて、それで寝ることができなかったのだ。
 それ以来、その犬には遭っていない。

 次は、小学校の友人だった。
 その男の子は、小学校で中々友達ができないわたしを、気遣ってくれた。
 喋りかけてくれて、一緒に遊んでくれた。
 その男の子のことを、好きになった。
 初恋だったのかもしれない。
 好きで好きでたまらなくなって、どうしようもなくなって。
 覚えているのは、その男の子が急に教室で何かを喚きだして、教室の窓を叩き割りはじめたことだ。
 それ以来、わたしは男が怖くてたまらなくなった。
 その夜、わたしは、また身体が火照ってしまい、はじめて自慰をした。
 幾度も果て、そのまま眠り込んでしまった。
 それ以来、その男の子には遭っていない。

 次は、いつくるのだろう。
 わたしの周りは、いつしかすべてが怖いものになった。
 でも、そのこわさはわたしに快感を与えてくれる。
 それを忘れることは、できなかった。
 どんなものも、あの快感にかなうものはなかった。
 でも、わたしは怖かった。
 それで、誰かがまたこわくなってしまうのが、こわかった。

 いつしか、わたしはアイドルになっていた。
 何も変われないまま、そんなものになっていた。
 ただ、それでも好きな人ができた。
 できてしまった。
 昔のような熱狂はなくても、少しずつ、浸透するように。
 熱狂がないまま、わたしは、その人に告白し、受け入れられた。

 うれしくて、うれしくて。

 わたしは、世界中の人間を、好きで好きでたまらなくなった。


執筆時間:40分
by tahiri | 2009-07-08 00:23